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2026/11/05

相続登記の期限は2027年3月31日まで|川崎・鶴見・大田区の実家の名義、そのままになっていませんか?

この記事の結論

・2024年4月から相続登記が義務になり、2024年3月以前の相続で名義変更していない不動産も、原則として2027年3月31日までに登記が必要です。

・正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料(行政上の制裁金)の対象になり得ます。

・遺産分割がまとまらない場合でも、「相続人申告登記」で期限内の義務を果たす方法があります。

亡くなった親の名義のままになっている実家や土地はありませんか。川崎市・横浜市鶴見区・東京都大田区では、親の代から住み続けている戸建てや、相続人の一人が住んでいる実家が、名義変更されないまま残っているケースが少なくありません。

これまで相続登記(不動産の名義変更)は任意でしたが、法改正により義務になりました。この記事では、期限の考え方と、遺産分割がまとまらず登記できない場合の対処法を、川崎の弁護士が解説します。

相続登記の義務化とは

相続(遺言による取得を含みます)で不動産を取得した相続人は、次の2つを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません(不動産登記法76条の2第1項)。

  1. 自分のために相続が始まったこと
  2. その不動産を取得したこと

さらに、遺産分割の話合いがまとまった場合は、成立した日から3年以内に、その内容に沿った登記をすることも義務とされています。

2024年3月以前の相続も対象|期限は2027年3月31日

義務化は2024年4月1日に始まりましたが、それより前に開始した相続も対象です。まだ相続登記をしていない場合は、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。ただし、不動産を相続で取得したことを知ったのが2024年4月以降であれば、その日から3年以内です。

相続が始まった時期登記の期限
2024年3月31日以前原則2027年3月31日まで(取得を知ったのが2024年4月以降なら、その日から3年以内)
2024年4月1日以降相続の開始と不動産の取得を知った日から3年以内

図 相続登記の義務化をめぐる主な日付

日付出来事
2024年4月1日相続登記の義務化が施行
2026年2月2日所有不動産記録証明制度が開始
2027年3月31日2024年4月1日より前に相続による取得を知った未登記不動産の申請期限(原則)
例:2028年6月1日2025年6月1日に相続と取得を知った場合の期限

「20年前に父が亡くなり、実家は父の名義のまま」というケースも対象です。期限まで残りわずかです。

期限に間に合わないとどうなる?過料と「正当な理由」

正当な理由がないのに申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法164条1項)。ただし、いきなり過料になるわけではなく、法務局(登記官)からまず申請の催告があり、それでも正当な理由なく申請しない場合に、裁判所へ通知される流れです。

法務省は、次のような場合を「正当な理由」の例として挙げています。

  • 相続人が非常に多く、戸籍の収集や相続人の把握に時間がかかる
  • 遺言の有効性や遺産の範囲などに争いがあり、そのために不動産が誰に帰属するか明らかでない
  • 申請義務のある人が重病である
  • 経済的に困窮していて、申請の費用を負担できない

遺産分割の話合いがまとまらないだけで、当然に登記義務が免除されるわけではありません。相続人申告登記の利用や、登記をしない正当な理由の有無を確認し、期限内の対応を進めることが大切です。

遺産分割がまとまらないときは「相続人申告登記」

兄弟で話合いがつかず、誰が実家を取得するか決まらない。こうした場合でも、相続人申告登記を使えば、期限内に義務を果たせます。

相続人申告登記は、「この不動産の登記名義人が亡くなり、自分がその相続人である」ことを法務局に申し出る手続です。相続人が単独で申し出ることができ、他の相続人の協力は要りません。義務を履行したとみなされるのは、申出の対象となった相続人についてです。自分の分だけを申し出ても、他の相続人の義務まで果たしたことにはなりません。

ただし、相続人申告登記はあくまで暫定的な手続です。遺産分割がまとまった後は、成立した日から3年以内に、その内容に沿った相続登記を改めて申請する必要があります。

遺産分割では、相続登記とは別の期限にも注意が必要です。相続開始から10年を経過した後の遺産分割では、原則として特別受益(生前贈与などによる取り分の調整)や寄与分(介護などの貢献による上乗せ)を考慮しない扱いになります(民法904条の3)。ただし、期限内に家庭裁判所へ遺産分割調停・審判を申し立てていれば、手続中に10年を過ぎても、この制限は適用されません。2023年4月1日より前に開始した相続には、少なくとも2028年3月31日までの猶予期間があります。

相続した不動産を漏れなく把握する

2026年2月2日から、亡くなった方が登記簿上の所有者になっている不動産を一覧にして証明してもらえる「所有不動産記録証明制度」が始まりました。親が複数の土地を持っていた場合や、私道の持分が残っていそうな場合は、登記漏れを防ぐために活用できます。ただし、検索条件と異なる氏名・住所で登記されている不動産は一覧に出ないことがあるため、過去の氏名・住所も確認して検索条件を指定することが大切です。

また、2027年3月31日までは、一定の土地(価額100万円以下の土地など)の相続登記について登録免許税(登記の際に納める税金)を免除する措置もあります。

川崎・鶴見・大田区の不動産はどこで登記する?

相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局に申請します(郵送やオンラインでの申請もできます)。

不動産の所在地管轄の法務局
川崎市川崎区・幸区・中原区横浜地方法務局 川崎支局
川崎市高津区・宮前区・多摩区・麻生区横浜地方法務局 麻生出張所
横浜市鶴見区横浜地方法務局 神奈川出張所
東京都大田区東京法務局 城南出張所

相続放棄や遺産分割調停など、ほかの手続の窓口は川崎・鶴見・大田区の相続、手続はどこの裁判所・法務局?で詳しく解説しています。

弁護士に相談した方がよいケース

相続人の間で争いがなく、書類を集められる場合は、司法書士への依頼やご自身での申請で足りることも多いです。一方、次のような場合は、登記の前に相続人間の問題を解決する必要があるため、弁護士への相談をおすすめします。

  • 兄弟の一人が実家に住み続けていて、遺産分割の話合いが進まない
  • 相続人の中に連絡が取れない人、行方不明の人がいる
  • 実家が既に共有名義になっている、借地の上に建っている(共有名義・借地の相続)
  • 何代も前の名義のまま放置され、相続人が数十人に増えている

話合いでまとまらなければ、家庭裁判所の調停や審判で決めることになります(遺産分割協議のサポート)。当支店には、東京高等裁判所で判事を務め、遺産分割などの家事審判の抗告審を多数担当した弁護士が在籍しており、審判まで見通した進め方をご提案できます。また、当事務所はもともと不動産に関する案件を数多く扱ってきたため、共有名義や借地が絡む相続についても、登記後の活用・売却まで含めてご相談いただけます。税理士・司法書士と連携し、相続税申告や登記手続もまとめてご相談いただけます。

よくある質問

Q. 祖父の名義のまま放置している土地も、義務化の対象ですか?
A. 対象です。2024年3月以前に開始した相続でも、相続登記をしていない場合は、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。

Q. 兄弟で揉めていて遺産分割が決まりません。期限に間に合わないと過料になりますか?
A. 相続人申告登記をすれば、期限内の義務は果たせます。遺言の有効性や遺産の範囲などに争いがあり、そのために不動産が誰に帰属するか明らかでない場合は、「正当な理由」があるとされる例に当たります。

Q. 相続登記は自分でもできますか?
A. できます。法務局の窓口のほか、郵送やオンラインでも申請できます。相続人間に争いがある場合や、権利関係が複雑な場合は、専門家への相談をおすすめします。

Q. 相続放棄した人も相続登記が必要ですか?
A. 相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったことになるため、相続登記の申請義務は負いません。

虎ノ門法律経済事務所 川崎支店のご案内

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監修:弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所 川崎支店 支店長 弁護士 我妻耕平(神奈川県弁護士会)

更新日:2026年10月20日(法令・制度は更新日時点の情報に基づきます)

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